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最大瞬間風速57.5m/s
台風15号は2019年9月9日、千葉市付近に上陸し最大瞬間風速57.5m/sを記録。風にあおられるなどして人的被害も発生した他、各地で倒木や建物損壊などの被害、千葉県市原市ではゴルフ練習場の鉄柱が倒壊して16棟の民家に直撃した大事故が発生してしまいました。
千葉のゴルフ場練習場の鉄柱が倒壊し民家に直撃
大きなニュースとなり毎日のようにワイドショー等々で放送され社会問題化、記憶にも新しいのではないでしょうか?
社会問題化した理由は、
被害者への補償に関する、ゴルフ練習場オーナーの対応とオーナー側の弁護士の発言からでした。
ニュースの視聴者としては、「補償はどうなる?」「弁護士の言い方が悪かった」等、他人事のように見ていましたが、あんなことが我が家に起こったら・・・大変です。
近所にゴルフ練習場が無いから安心!!
なんて言わないでください。
家の前のお店から看板が飛ばされてきたり、近くの工事現場の足場が倒れて建物に直撃してしまったり、隣家の庭から「何か」飛ばされてきて窓ガラスが割れてしまうなど、様々なケースが予想されます。

損害は「火災保険」で補償されます。
同様な事故で我が家に損害が発生した場合には、「火災保険」に加入しているときには補償されます。
(補償されない場合)
★ご自分の「火災保険」です。第三者の保険では補償してもらえません。
★補償内容に「風災・ひょう災・雪災」を加えていなければなりません。
※補償内容に含んでいない場合に補償されません。
加入している火災保険のチェックポイント
火災保険に加入している場合には第一段階として安心ですが、もう少しチェックしなければなりません。
①保険の対象は?
「建物のみ」建物の損害分が補償されます。家財の損害は補償されません。
「家財のみ」家財の損害分が補償されます。建物の損害は補償されません。
「建物と家財の両方」両方の損害分が補償されます。
②「新価払い」なのか?「時価払い」なのか?
「新価払い」の場合、修理代金全額もしくは全壊の場合には同等建物の新築費用額。
「時価払い」の場合、新築後の年数によって経年劣化分を差し引いて計算される現在の額となります。
そのため、実際の損害額も差し引かれた額(時価)で計算されますので、損害額満額の保険金が支払われないため、工事費用の一部は自己資金で負担することになってしまいます。
③費用保険金の補償付きの保険の場合には、仮住まいのホテル費用等の諸費用分の保険金(限度額等の条件あり)を受けることが可能です。
加害者からの補償は?
・新築住宅が完成し住宅会社から引き渡しを受けているのに入居前なので加入していなかった。
・更新時期をうっかり忘れてしまっていた。
・火事を出すわけがない。必要ないから意識的に加入していなかった。
・明日加入する予定だった!
理由は様々ですが、火災保険に加入していたかった場合、
または、
・「風災」等自然災害の補償が付いていない火災保険だった
・家財保険しか入っていなかった
・(上記で解説した)時価払いの保険だったために工事費の差額が発生した
などの場合、
自分で守れなかった場合でも、加害者から補償される可能性もあります。
(可能性です。基本的は補償されません。最後までお読みください。)

施設賠償責任保険
損害発生の元となったゴルフ練習場のような事業を経営している場合には「施設賠償責任保険」という保険に加入している可能性が高いです。当のゴルフ練習場は加入していたようです。
「施設賠償責任保険」とは?
経営者が所有していたり管理している事業用の施設や建物が、何らかの理由で他人に怪我をさせてしまったり他人の所有物を破損してしまい、損害賠償責任が生じた時に補償してくれる保険です。
ただし、
自然災害は予見の可能性が極めて限定され回避することが不可能であると考えられ、自然災害によって建物などが損壊した場合には法律上の賠償責任は生じないとされています。
台風は自然災害ですから賠償責任は生じないことになってしまいます。
にもかかわらず、保険金が支払われる場合もあるのです。
所有者に建物管理上の過失があり、その状態で台風が接近した結果損害が発生したケースです。台風などの自然災害は予見できないし回避できないからこそ、その不測の事態に耐えられるように建物・施設の管理を行わなければならないということです。
この事故の場合には、
・風圧を避けるようにネットを外すべきが固定式のネットのため外せなかった、
・基礎を固定するボルトに複数個所の亀裂があった
という事実があり、補償を受けられるのでは?という声もあったようです。
しかし、
・建物の強度等の再調査をするためには既存施設の解体作業がストップしてしまう、
・裁判で判決が出るまでには時間もお金もかかってしまう、
など被害者の方々が直面する現実的な問題も大きく進みませんでした。
現在は、
テレビで問題化された「誠意のない弁護士」から交代した「優秀な弁護士」により、「自然災害だからということは棚に上げ補償の話を進めましょう。」となりゴルフ練習場オーナーが土地を売却する資金で被害者に補償することに決まったようです。
跡地は解体、整地されキレイになり、被害建物の新築工事も進んでいるようです。
心の痛手も含めればすべて解決ということにはならないでしょうが、泥沼化した争いにならなくて良かったと感じます。
まとめ
火災保険には必ず加入すること、加入している保険の内容や仕組みをきちんと理解することは大事です。
火災保険についての、ご質問・心配事、見直しのお手伝いを無料で行っています。
【問い合わせページ】または【Eメール】でお気軽にお声がけ下さい。
